製品(2) 実験!ブロックスライダーぁぁぁ 

update 2004.11/7

 

何に使うの?

さて、今回はソリと糸巻きのおもちゃを作ります。え、何に使うって? そりゃあなた遊びに決まってるじゃないですか。こいつはブロックスライダーという地震すべりの力学モデルを実際に作って遊んでみよぉ〜 どんどんどんどん(タイコの音)てな企画です。力学って言うと難しそうだけど、ま、実際に見てみたらわかります。おもしろいですよお

このシャクトリ虫みたいな動きが固着すべりです。そうじゃなくてズルズルすべるのが安定すべり
 

ブロックスライダーモデル

 
 

  で、その力学モデルっていうのは、どんなのかというと右図のような単純なもので、バネとソリとオモリと糸巻きでできてます。この糸巻きがグルグル回ってソリを引っ張ります。するとバネがびょ〜んと伸びます。どんどん伸びます。で、限界に達するとソリがびゅってすべります。それが繰り返します。それだけなんだけど、こいつがそれぞれ

 糸巻き
 プレートによって脈々とかかり続ける応力に相当する
 バネ
 刻一刻と蓄積し続ける地殻の弾性歪に相当する
 ソリ
 限界に達すると動く断層。地震。に相当する
 
 実験の様子を見よう!上の画像をクリックしてうまくいかなかった方こちらで見て下さい。それでもだめだったらご了承ください

ってなわけなんですね。 バネがびよ〜んって伸びている間が普段の地震の無い時間に相当してて、ズルッてすべった時が、あの地震の時なんですね。  断層の固着すべり=地震 ってことです。 そう思ってこの実験を眺めていると感慨深いものがあります。   とりあえず、実験の様子を見てみましょう。右の写真をクリックして下さい。別ウィンドウが開いて実験の様子が見れます。

 

そのポイント!

  で、見るからに簡単だし、このコーナー見なくても作れるでしょうが、ただ一つ重要なポイント!はソリの材料とです。これは適度に速度弱化(講議に便利:第16回、第19回参照)する材料でなきゃいけません。つまり、限度を超えると急にベリッとはがれて、減速すると急にガッと噛むような物がソリの底に貼ってある必要があります。

  ま、何でもいいんですが、ビニールのテーブルクロスがいい感じです。ほら、あの透明でちょっとベタッてした感じのヤツです。ホームセンターで600円〜/mくらいで売ってあるでしょう。テーブルクロスも何種類かありますが、いろいろ買って試してみるとおもしろいと思います。ベッタリしすぎてもうまくいきませんし、ツルツルでもだめです。え? いろいろ無駄な物を買うと、お金かかるって? まあ、そうですねぇ。でも、お遊びですから、道楽ということで、、、

材料 何のパーツ? どれくらい? 何円ぐらい?
細長い板 ソリ、レール 5X100X1.3cm 1本 600円
薄く細い板 ガイド 2X100X0.2cm 2本 200円
ギヤボックス 糸巻き 1個 1000円
アクリル板 糸巻き 10X30X0.3cm 1枚 300円
ボルト、ナット 糸巻き M5ボルト7cm2本, 2.5cm1本。ナット8個 200円
電池ケース 糸巻き 1個 200円
反転スイッチ 糸巻き 1個 200円
円柱材木 糸巻きの芯 1本 300円
岩石レンガ オモリ 1個 130円
テーブルクロス ソリ 何種類でも 600〜
ペンキ     600〜
釘、ヒートン等      
合計5000円あれば


作り方:糸巻き

 工作好きな方にはすら図解すら不要でしょう。簡単な構造だし、糸さえ巻ければ他の方法でもなんでもオッケーです。

 糸巻きは予算次第です。一定の速度で糸を巻いてくれさえすればそれでオッケーです。世界金持ちクラブの方は釣り用の電動リールが簡単でトルクもあって良いと思います(やったことないけど)。でも非常に高価です。また逆に極力お金をかけたくない方は、電動はやめて、手動で引っ張るという手もあります。自分でやる分にはこれで十分ですが、人に見せる場合は「えーっ? 引っ張る力をコントロールしてるんじゃないのぉ?」って疑われます。一方、引っ張るトルクの変化を手で感じられるというメリットはあります。

  ま、予算と見栄えからすると田宮模型のギヤボックスを使ってちょっと工作するあたりが簡単です。田宮模型さんからは何種類か出てますが、トルクと巻き速度からこの商品あたりがお薦めです。このギヤボックスは単に低速高トルクでクルクル回るので、こいつに糸巻きの芯をつければできあがりです。

  糸を巻くだけならこれだけですが、巻き切った糸巻きをどうやって戻すか?というあたりは工作のウデの見せ所っていうか、どれだけ凝るかの話です。乾電池を逆に入れてモータを逆回転させてもいいし、反転スイッチを付けてもいいでしょう。私はクラッチ付きと反転スイッチ型の2種類を作ってみました。作例の反転スイッチは工作的には簡単だけど、巻き切った後にすみやかに戻らないので、見せ物としては若干もたつきます。

  あと、糸は釣り糸でもなんでもいいのですが、びよーんと伸びない材質が良いでしょう。でないと、なんのためにバネをつけたかわからなくなります。ちょっと高価だけど細い金属ワイヤーはナイロンの糸よりもつれなくて良いです。

 

作り方:ソリとレールとオモリ

  ソリとレールは大きめの方が良いです。その方が固着すべり起こしやすいです。え?そんなの理論的におかしいだろうって?? そうかもしれませんが、ま、いろいろあるものです。ついでにオモリも重い方がいいです。ソリとレールはホームセンターで買ってきた細長い板によりますが、幅は5〜8cmあれば良いでしょう。レールの縁にはガイドを付けています。無くても多分大丈夫ですが、ガイドがある方がちゃんとしてるように見えるでしょう。さあ、できました!さっそく遊んでみましょう。

図工が得意な人には簡単だったことでしょう。ま、テーブルクロスのビニールだけがポイントですね。
 

コツ:お!うまくいったぞ

 
 こんな岩石のレンガが園芸コーナーにあります。

  うまくいきましたか? 固着すべりと安定すべりをコントロールするあたりがおもしろーい!のですが、やってみると固着すべりが起きる条件は限られていることがわかります。固着すべりさえ起きたら、安定すべりは簡単です。ガラスでもプラスチックでもいろんな材料をソリの下に貼ってみましょう。安定すべりが起きるでしょ。いろんな材料を貼れるようにソリをいくつか準備しとくといいでしょう。

  うまくいかない人は、おもりを重くして下さい。その方が固着すべりが起きやすいです。でも、あまりに重いとタミヤのモータでは動かせません。水の入ったコップでは軽すぎるかもしれませんし、金属のカタマリでは重すぎるかもしれません(←そんなもん身近にあるかっつーの!)。はっきり言えばホームセンターの園芸コーナーの岩石レンガがお薦めです。岩石は水よりも2倍以上の密度なので適度に重くて良いです。それになんたってこのモデルでソリに載ってるオモリは、断層面にかかる最小主応力、つまり岩圧を想定しているので、ソリの上に岩石が載っているのはバッチグーなわけです。

  それでもまだうまくいかない人は、弱いバネに変えて下さい。バネが弱いほど固着すべりが起きますし、逆に固着すべりのソリでもバネを強くすると安定すべりになったります。バネもホームセンターにいろんな種類のが売ってあるので、いろいろ買ってみるとおもしろいです。

実験の意味

  さて、うまくいったら誰かに自慢したくなったでしょう。その時大事なのが実験の意味です。どんな時に固着すべりが起きて、どんな時に安定すべりでしたか?

1、あるソリでだけ固着すべりが起こる実験(オモリ、バネ、糸巻きは同じままソリだけ変える)。これは深度やスティフネスや歪速度もさることながら、すべり面の材料がとても大事だってことで、地震の発生メカニズムを知るには断層岩の研究が欠かせないってことです。

2、軽いオモリでは固着すべりが起こらない実験(ソリ、バネ、糸巻きは同じままオモリだけ変える)。これは地震は浅い所では起きないってことを示してます。地表の活断層は地下深部の断層本体の影のようなもので、その動きを忠実に反映してます。でも、自ら固着すべりを起こす能力はないってことです(←断言しすぎか?)

  もちっと詳しい実験の意味に関しては連載中の講議ノートを見て下さい。特に第16回19回、と近々アップ予定の20回(アップしました2005.1/11)、21回あたりを。では!

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