四万十帯に便利の用語集(その1)

update 2005.10/31

 

CCD しぃーしぃーでぃ

   炭酸塩がたまんねー海の深さのことで、日本語では炭酸塩補償深度と言います。デジカメの撮像素子じゃありません。まず、浅いところでは炭酸塩が堆積するし、深いところでは堆積しないという常識が必要です。
   海の表層では、炭酸カルシウムで骨格を作るプランクトンが、わんさかいて、ばかすか屍骸を降り注ぎます。そんで石灰岩ができます。でも、水深が深くなると、海水は炭酸カルシウムを溶かす能力をアップさせます。だから海が深くなると炭酸カルシウムが溶け始めます。でも、どんどん負けないように炭酸カルシウムを降りあびせれば、海底には炭酸カルシウムを堆積させることができます。でも、もっと深くなって、どんどん溶けていくと、ついに炭酸カルシウムは全く堆積できなくなっちゃいます。これがCCDです。

ポイントは競り負けるってことです。

  遠洋の場合、CCDよりもちょこっとでも浅い海底では真っ白な石灰岩ができるし、CCDよりもちょっとでも深いと赤いチャートができます。CCDが時代によって上がったり下がったり変動した日にゃ、そこでは、赤、白、赤、白といっためでたい堆積物ができるのです。うーん。CCDって大事だなあ。

海洋底層序 かいようていそうじょ

海洋プレートが海嶺で生まれて海溝にやって来るまでに表面にたまっている堆積物の種類と順番は決まっています。これが海洋底層序です。

 

玄武岩 げんぶがん

  教科書には黒と書いてありますが、四万十帯では、暗い紫色、赤、緑、ごつごつ、って感じです。なんかいやらしいし、割っても斑晶はなかなか見えません。そのうえ風化してるとフィールドでの識別が難しいです。最初のうちは悩みます。

  四万十帯の玄武岩は海洋底で噴出したものです。玄武岩は海嶺やホットスポットで噴出して、海洋プレートの表面はぜーんぶ玄武岩です(堆積物を除く)。だから某教授は「地球表面の70%の面積は海なんだから、玄武岩がわかればこの惑星表面の70%は理解したことになるんだよ」とおっしゃってました。なるほど! そ、そうか! 玄武岩って大事かも! でも、ボリュームで言えばこの惑星の中のかなりの部分がマントルなんだからマントル研究の方がもっと大事かも、、、 なにおーっっ 水素とヘリウムを研究すれば、全宇宙の、、、、、

  玄武岩の微量な化学成分を精密に分析することで、その玄武岩が海嶺で噴出したのか、ホットスポットで噴出したのかがわかります。そして結論から言えば、四万十帯には両方の起源のものがあるようです。ホットスポット型つまり海山が付加体に衝突したものもたくさんあるようです。でも、四万十帯にはそんなにたくさん玄武岩はありません。メランジュにちょこっとあるだけで、四万十帯全体からみたらほんのちょっとです。つまり海洋プレートや巨大な海山の玄武岩のほとんど全ては沈み込んで、マントルの彼方に消え去ってしまうのでしょう。

 

石灰岩 せっかいがん

  石灰質が50%以上だと石灰岩に分類されます。砂まじりだろうが、赤だろうが、灰色だろうが関係ありません。秩父帯には、造礁サンゴ起源のきれーな白い石灰岩がたくさんあります。この印象が強いので石灰岩は真っ白に違いないというイメージがありますが、誤解です。

あんなピュアな石灰岩が豊富にあるというのは、製鉄にもセメント工業にも幸せなことです。鉄筋コンクリートの都会を建設する上で、石灰岩から輸入してたらたいへんですからね。

 

チャート 

  新鮮だと赤いレンガ色の岩石で、ちょー硬いです。ハンマーで割るのはもちろん、カッターで切るのもイヤになります。SiO2が95%以上の岩石ですが、SiO2が100%の石英よりも硬いです。なぜ?? 

  風化すると緑、白などにコロコロ変化します。色はまったく当てになりません。でも必ず、数cmから10cm程度の地層がきれいに繰り返していて、割ったときにガラス質なのも特徴です。チャートは放散虫というプランクトンのカタマリで、新鮮でよいチャートはゴマ粒のような放散虫が観察できます。

  堆積速度は死ぬほど遅くて、平均すると1cm堆積するのに1000年から数1000年かかります。人類の文明の歴史もあの縞模様1つ程度なんですねえ。

  ところで参考書のチャート式は、岩石と関係あるんでしょうか。

 

砂岩 さがん

砂が固まった岩石。そんで砂ってのは1/16〜2mmのサイズの粒子です。でも、四万十帯の砂岩には、ごく細粒の粒子からデカイ粒子まで混ざっています。ところで1粒でも3mmの粒子があれば礫岩というのでしょうか。まさかね。かといって「ちゃんと粒径分布を分析しないと、砂岩と言えない」と言ってしまうとたいへんです。露頭で名前を付けれません。

  と、いうわけでフィールドでは、見た目でざっと決めます。「はい、これ砂岩」「はい、これ泥岩」「はい、これ礫岩」「次にこれは、ん?? 新岩石!」

 

泥岩 でいがん

  泥が固まった岩石。ここで言う泥は1/16mm以下の粒子です。これまたフィールドではいちいち粒度分析しません。泥岩は黒いです。色で判断するのが早いです。でも、石英や長石をどんどん砕いて1/16mmとか1/256mmにしても黒くはならないでしょう。白いはずです。では、なぜ泥岩は黒いのでしょう? どんどん小さくなって、ミクロな世界になると、急激に粘土鉱物といった細粒な粒子が増えますし、炭質物や黄鉄鉱といった不透明な粒子も増えます。粒径で分類するとはいえ、泥岩は単に砂岩が細粒になったものではないようです。小さな世界と大きな世界とではメンツが同じじゃないようです。

 

付加体 ふかたい

  海洋プレートが沈み込んで、表面の堆積物が、陸側プレートに押し付けられてできた地質体。西南日本沖の南海トラフに大規模に発達してます。これがどんどん成長すると、古いものから順に隆起・削剥されて、ついには地表に顔を出します。これも付加体ですが、人によっては付加帯と区別するかも。代表的な陸上付加体として四万十帯があります。

 

四万十帯 しまんとたい

世界最高の付加体。すてき。

 

メランジュ めらんじゅ

  ぐちゃぐちゃな地質体。ただし露頭スケールじゃダメ。地質図に描けるくらいでかいとメランジュの名が与えられます。成因や岩種は問いません。だからメランジュの成因は、メランジュごとにいろいろです。

  ただしメランジュは付加体に特徴的なので、四万十帯巡検ではメランジュははずせません。必ず行きます。そうすると 四万十帯=ぐちゃぐちゃ という印象を持たれますが、誤解です。

 

地層の名前 ちそうのなまえ

  地質学ではローカルな地名に由来する地層名がいっぱい出てきます。メンドーでもしょうがありません。似た成因の地層は似てるもんですが、地質体はそれぞれ一身上の都合により、同じものは2つとありません。だからそれぞれ違う名前が必要です。

  地質学のルールとしては地名を使うことになってます。秩父帯の秩父や三波川帯の三波川は関東にありますし、仏像構造線の仏像は高知県須崎市にあります。でも、黒瀬川というのは、黒潮のことだそうです。それは地名か? ましてや中央構造線や超丹波帯は? むむ。 それを言ったら我らが四万十帯だって、四万十川はあるが四万十という地名は無いゾ。と、思っていたら市町村合併によって高知県中村市が西土佐村と合併して、四万十市が誕生したのでした。一件落着。よかった。

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