Q.変形って何ですか。歪って何ですか?
A.外形が変わるのが変形で、その量が歪です。

 

■ 2つの歪

 物体に外力が作用して、物体が移動しないなら、物体の外形が変形します。この変形量が歪です。例えば一軸圧縮試験といって、細長い試料を上下から押しつぶす実験があります。試料を挟んで、油圧ジャッキでゆっくりと押しつぶしていきます。試料の徐々に短くなります。元の長さに対して、どれだけ変化したのか。その割合(%)が歪(Strain)です。

 もしも長さ70mmの岩石試料を圧縮したときに、試料がほんの0.7mmだけ縮んで69.3mmの長さになった場合は、歪1.0%となります。

 

■ 弾性歪

 さて、この歪も2種類あります。ひとつ目が「弾性歪」です。

 「外力に応じて変形し、外力を取り除くと元の大きさに戻る」

と定義されます。 ちょうどバネのようなものです。バネばかりにオモリ下げると、バネが伸びます。バネの伸びはオモリの重さに正比例します。だからバネばかりとして使えます。このように弾性歪は、応力と歪が正比例の関係にあります。また、外力に対して即座に応答してくれます。前回の廊下の床を踏む話も、床が瞬時に弾性応答してくれるので、転ぶことなく廊下を歩けるのです。

 

 

■ 塑性変形

これに対して、もう一つの歪は塑性歪です。これは外力を取り除いても元の形には戻りません。弾性歪と対比して「永久歪」とも呼ばれます。身近な材料としては、粘土、ソフトキャンディー、モチ、などが挙げられます。これらの材料は、一定の力は必要ですが、そのままの力でずーっと変形させることができます。弾性歪が歪ませるほど大きな力が必要になっていくのとは大違いです。

 

 

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